シリーズのネットと文明の第4部が本日から始まりました。ネット上の知識が人間にとっての「外付けの脳」として機能する一方で、人間の感動や創造性が犠牲にされる面があり、バランスよく使い分ける術を磨く必要があるようです。
■ネットと文明:第4部−1、脳は借り物?人の知、進化か退廃か(1面)
入学式や運動会など子供のイベントで我が子の姿をビデオに納める親が多くなった。この様をある学者は、画像を撮らないことで、その一瞬ならではの感動を味わえないのでは危惧する。
同様に、ネット上には情報の詰まった「外付けの脳」があり便利になったことで、「記録はあっても記憶がない」ことにもなり、人の「記憶し学び感動する」という営みとどう向き合うか。
また特許が公開する特許情報を中国など海外から参照され、模倣されても、日本でのみ成立している特許なら違法性を問えない。ネットでは他者の知と自分の知との境界が曖昧となり、「外付け脳」は他人の知的財産を侵すことにも手を貸す。
愛知県蒲郡に開校した全寮制の中高一貫男子校では、漫画やゲーム機の持ち込み禁止、ネットも接続制限を設けるなど外界と遮断し、情報や生活を厳しく管理。思索にふける時間を設けることで、感性など人間の基礎の確立を目指す。
知の集積するネットを共通の英知で創造性を競う。バランスのとれた情報文明の高みを目指す時にきている。
ネット時代の常識は時として旧習に取って代わり、移ろいやすさ故に廃れてもいく。オセロゲームにも似た「時代の常識」の変化を追う。と結ばれている。
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