2005年10月22日

ネットの攻勢:ライブドア、セシールを買収。(9面)

 「ネットの攻勢四方八方」という見出しの付いたこの記事を取り上げます。
やはりこのブログのタイトルのように、良い悪いは別としてビジネスモデルが「ネット社会」型に急速にシフトしだしたことの表れではないかと見ています。

記事(日本経済新聞(2005.10.22))には

 急成長するネット企業が既存のビジネスの枠組みを崩し始めた。
ライブドアが21日発表した通信販売大手セシールの買収は、消費者が商品選びの媒体を紙のカタログからネットに変えつつあるという意味でも象徴的だ。

米国ではグーグル、ヤフーなどが広告に新しいビジネスモデルを作り上げ、メディアの中でネットの存在感が増している。

日本でも新興企業がネットへの転換に遅れた企業を飲み込む動きが広がってきた。


 ライブドアはグループ会社を通じて通販大手のセシールを約202億円以上で買収する。そしてセシールの1500万人の会員を抱えるセシールを傘下に収め、電子商取引事業を強化する。

 通信販売業界ではカタログ通販が低迷する一方、ネット通販が急成長している。
日本経済新聞の調査によると、カタログが通販全体の売上高に占める割合は5年間で78%から56%に落ちた。ネットの比率は3倍の30%に上昇した。

 セシールのネット通販の比率は17%、カタログ依存が足かせとなり、2004年12月期の連結売上高は1997年3月期の半分以下の860億円まで縮小した。
21日には05年12月期の連結経常利益予想が9億円の赤字見通しだと発表した。

セシールはライブドアの支援で、ネットやモバイルに親しんでいる若い顧客を取り込む考えだ。


とある。


 冒頭少し書いたように、「ネット社会」がどんどん加速度的に形成されてきているように思います。
ここで「ネット社会」という言葉を再度明確にしたほうが良いように思います。
「ネット社会」では、ネットの中だけで現在のリアルな社会と同じような機能がネット内にも実現されている社会のことです。
 
 「ネット社会」では社会を構成する機能を、頭に「電子」や「ネット」を付けて呼んでいます。
政府は、電子政府、自治体は電子自治体、病院は電子診療(遠隔診療)、取引は電子商取引、銀行はネット銀行、証券会社はネット証券、学校は電子学校(eラーニング)、商店はネット商店、本は電子書籍、音楽や映像はネット配信など・・・・しかもこれらは機能をし始めています。

 つまり気がついて見ればいつの間にかネットの中の機能だけで生活が出来る世の中になりつつあるということなのです。しかしこの変化は、全く関心を待たない人には目に見えないのです。まだリアルの世界の機能も残っているので不自由はしません。だから多くの人が気づいていないのではないでしょうか。

 ライブドアや楽天などのネット企業はこのような変化を自らが作り出していることもありよく知っています。
しかし、現実の世界でビジネスを行っている人々は、関心がないと見えない世界なのでのんびりと考えています。
確かに私もネット社会が来ることは予想していましたが、私の予想をはるかに超えるスピードで「ネット社会」が形成されようとしています。

 進化させた背景は今年度で終了するe−Japan戦略により、日本のインターネット環境が世界で一番(高速でかつ安い)となりました。携帯電話も第3世代(高速で定額)対応が進み、電子マネーの機能実現などネット社会の必需品なってきたなど、人とネットの接点が急速に進化したことによると思われます。
今後この流れは、より高速に、より安く、より使いやすくと確実に進化していくことでしょう。

 以上のようなことを踏まえて、今回のセシールの記事やTBSと楽天の話題を眺めると当然の動きであることが理解していただけると思います。

 一見、小(新興企業)が大(老舗の大企業)を飲み込んでいるように見えますが、それはリアル社会の見方であって、ネット社会の側から見てみるとネット社会に順応し活発に活動している企業が、ネット社会に順応しきれていない企業を取り込んでいるだけのように見えます。ネット社会にその機能を実現すれば大きな価値を生むと思われる事業ほど早くトライを始め基盤を築いてしまいたいはずです(三木谷社長が急ぐ理由でもあります、「ネット社会」で儲けるためにはNo.1企業になることで、先行者が有利だからです。)

 リアルな現実の社会と目に見えないネット社会、どちらの社会が若くしかも成長の可能性があるかと考えると、その答えは自ずと判るのではないでしょうか。
 またこれからは、市場といった場合「目に見える市場」と「目に見えない市場」の両方を考える必要があるといえるのではないでしょうか。
そして「目に見えない市場」の拡大は、「目に見える市場」の規模を確実に小さくしていくことでしょう。
(なお、ネット社会に適応しやすい業種、しにくい業種はありますが、しにくい業種もどこかでネット社会との接点を持つことになると思います)

そしてセシールは記事にあるように「目に見える市場」に重きを置いたこともあり売上を7年で半減させ、ライブドアグループに飲み込まれることになったといえるのではないでしょうか。



本日のその他の記事
・ネットと文明:第2部新旧価値の衝突、ブログ炎上。「皆のもの」信奉意識にズレ。(1面)
・NEC、一転減益に。携帯端末など不振。(1面)
・カブドットコム、8半期連続最高益。(4面)
・急成長の米ネット大手。広告の新モデル確立。(9面)
・9月中間、ヤフー営業益38%増、4期連続最高。(9面)
・パブリッシングリンク、電子書籍を単行本に。(10面)
・ソニーコンピュータエンタテイメント、PSP、1000万台出荷。(11面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 21:47| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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《ライブドアのプチ株主の一言 その118》
Excerpt: ライブドア社がセシール社を買収とのニュースです。
Weblog: ★☆どんちゃんのプチギャンブラー☆★
Tracked: 2005-10-23 00:46

ファッションリテール最大の資産を手にしたライブドア
Excerpt:  昨日、ライブドアがセシールを買収すると発表しました。  買収資金は、202億円
Weblog: ファッション流通ブログde業界関心事
Tracked: 2005-10-23 01:01
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