2005年10月14日

楽天、TBSに統合提案(1面他)

 今日はやはりこの話題しかないと思います。

村上ファンドがTBSの筆頭株主になったというニュースが衝撃を与えていたと思っていたら、昨夜(10月13日)「楽天がTBSの発行済み株数の15.5%ほどを取得し、TBSに共同持ち株会社方式による経営統合を申し入れた」ともっと衝撃的なニュースがありました。

 ここで衝撃的という言葉を使ったのは、報道機関の扱い方、捉え方の意味です。
私から見れば、少しも衝撃的なニュースではなく当然の流れと感じています。

フジテレビのときもそうでしたが、どうもテレビ局は「ネット社会」に対しての認識が弱いように思います。もし「ネット社会」への認識が強ければ楽天やライブドアは既にフジテレビやTBSの傘下になっていたでしょうね。
この弱さは放送局がこのニュースで呼んでくるコメンテータにも現れているように思います。
呼んでくるのはいつもM&Aに関する専門家で、ネットの専門家は呼ばれていないと思います。(私が見ている番組の範囲では)この件で将来、視聴者が番組を見る姿としてVOD(ビデオオンデマンド)の解説やデモをしているのを見たことがないです。

 この「ネット社会」への認識の弱さが、「放送コンテンツの価値」を生かして事業を更なる成長軌道に乗せるという積極的な経営姿勢を示せなかった理由ではないかと思います。(積極的な成長戦略を示さなかったことで株価が不当に低い評価をされていたことにもつながっています。)

そうこうしているうちに、楽天やライブドアといったネット企業のほうが成長してきて、放送局のコンテンツを会社ごと獲得できるほどの資金力をつけてきたと考えるのが自然のような気がします。

いってみれば、放送局は顧客にどんな価値を提供しているのかを見つめなおす必要があるといえます。
 私から見れば、高価な放送設備を持ち、地方のテレビ局とネットワークして全国津々浦々に番組を届けるといった放送インフラを構築してきた功績は大いに評価されべきとは思いますが、事業の本質というところに立ち返ると「多くに人々に優れたあるいは楽しめる番組を安定的に提供する」ことではないかと思います。

もしそうだとしたら、電波であろうがインターネットであろうがこれはあくまでも番組の伝送手段ということがいえると思います。
つまりTBSが注力すべきことは、視聴者に支持される優れた番組を製作することではないかと思います。
あまり誰も触れたがらないですが、ブロードバンド(光など有線、高速大容量無線)が普及しつつある現在、高価な放送設備はこのブロードバンド回線に取って代わられる可能性があります。総務省は既に地上波デジタル普及のための放送設備のコストを抑えるためインターネットでの配信を容認しています。
恐らく放送局としては地上波デジタル放送のためにxx億の設備投資をしていますが、もしかするとアナログ放送が停止するころにはインターネットでの視聴者のほうが大半を占めているといったことが起きているかもしれません。
だからこそ、番組を届ける手段に投資をするよりも、番組そのものにこだわることのほうが正解といっている理由であり、楽天やライブドアなどが期待している放送局の価値も「膨大な今までに作成された番組コンテンツであり、新たに番組を制作できる能力」ということになります。

将来の放送は、番組制作事業者、いろいろな番組を統合・配信するポータル事業者、視聴者に届ける通信インフラを整備する事業者の3社が力を合わせて行う事業ということになるのではないでしょうか。(当然細かくいうとオークション、音楽配信などいろいろなコンテンツもありますがここでは放送という切り口で見ています)
そう考えると今回の事業統合に抜けているのは、通信インフラ事業者ということになります。

今日はいつもと違い最後に社説の一部を参考として紹介します。

本日(2005.10.14)の日本経済新聞の社説の後半には

 光ファイバーなどブロードバンド(高速大容量)の普及によって、インターネットで映画やドラマ、スポーツなど動画コンテンツを配信する動きは昨年以降、急速に進んでいる。コンテンツを一般家庭に配信する機能において、テレビ局とネット会社の違いは薄れつつある。ただ、テレビにはコンテンツ製作能力と蓄積がある一方、ネット会社のコンテンツ製作体制はまだまだ弱体だ。そこに楽天などのネット会社がテレビとの連携を求める大きな利用がある。

 他方、テレビ局側もネット対応を急ぐ必要がある。日本でもネット広告は急拡大し、既にラジオ広告を上回る規模に達しているからだ。ネット配信は個別視聴者の求めに応えて自由に番組を送れるオンデマンドという特徴もある。

 テレビとネットの垣根が低くなったことで、メデイアに新しい展開が生まれる可能性を直視する必要がある。


とある。


本日のその他の記事
・日本経団連、ITS実用化など提言。(5面)
・りそな銀、担保不動産ネット競売(7面)
・セブン銀、銀行代理業務に参入。(7面)
・ヤフー、携帯電話向けにコンテンツ販売。(12面)
・目的地まで「電子封印」。三菱商事がコンテナ監視。(13面)
・KDDI、パワードコム合併を発表。相互補完でNTT対抗。(13面)
・ソニーネット経由、「PSP」でテレビ中継。(13面)
・日立・YRP、無線通信、消費電力百分の一。情報容量十倍、位置計測も。(15面)
・ウェアラブルコンピュータ研究所、画面で口内確認、患者も安心して歯科治療。(15面)
・携帯高齢者に売り込み。操作簡単・安否確認も。割引続々。(35面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 22:49| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(3) | 放送と通信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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