2005年10月12日

店頭に設置のテレビ電話で"対面"接客。(37面)

 小売店の店頭でテレビ電話の利用が広がっているようです。
いろいろ考えさせられる部分もあると思いますので今日はこの記事を取り上げました。

記事(日本経済新聞(2005.10.12))には

 宝飾品のオーダーメイド、介護相談、留学相談−−。
小売店の店頭でテレビ電話の利用が広がっている。画面を通じて顧客の表情を見ながら商品、サービスの内容を具体的に伝えられ、店舗に専門スタッフがいなくても来店客の好みや要望に細かく対応できる。小売店にとってはコスト削減効果も大きい。

■専門家が対応
 ドラッグストアチェーン寺島薬局の店頭で、寝たきりの祖母の入浴方法、介護保険の申請方法といった介護相談を受け付ける「まごころ電話サービス」を始める。
基幹店と周辺のサテライト店をテレビ電話で結び、基幹店に待機している看護士やケアマネジャーなどが、これら相談に対応する。

 宝飾専門チェーンのベリテでは、テレビ電話を通じて店頭の顧客と東京の工房にいるデザイナーがやりとりし、デザインや材質、形状などを決める。その場でスケッチを描いたり、過去の注文を画像で見せることも可能。

 テレビ画面を通じて顧客の表情なども分かるので、担当者は客の要望に細かく対応でき、安心感も与えられる。


■経費削減効果も
 飯田橋の「トラベルカフェ」では語学教材のアルクと提携し、店内に設置したテレビ電話を通じた留学相談に乗り出した。
アルクの専門スタッフが対応する。店舗にスタッフを一人置くほどの経費的な余裕はないが、対面相談と変わらない状態で質問に答えられる。

 食品スーパーのサミットでは店長の業務支援にカメラを活用している。
多摩市の東寺方店では売り場、駐車場、エレベータなどに20台のカメラを設置。カメラは20倍までズームでき、360度回転する。カメラが店長の巡回業務などを補佐する仕組みだ。

■ドン・キホーテ薬品販売で先鞭
 早朝や深夜でも薬を売って欲しいという要望に応え、03年からテレビ電話を通じた一般薬の販売を始めた。厚労省から薬事法違反の恐れがあるということで9月には一旦休止。04年4月にテレビ電話を使った大衆薬の販売が解禁された経緯がある。
現在同社は東京都内を中心に38店舗に導入している。


とある。(一部要約・編集)

 テレビ電話について補足をすると、安価・定額のブロードバンド回線の普及によりインターネット網を利用したテレビ電話システムが安価に構築できるようなり、しかもお客に画像を見せてもカラーで滑らかに動くことで違和感を感じさせなくなってきているといえる。
テレビ電話(会議)が社内の業務用から顧客サービスへと広がりを見せているようだ。

 このようなサービスが必要とされる背景をまず考えて見たい。

・人材
 サービスの高度化、商品の高度化・多機能化に伴い専門的な知識が求められるようになってきた。しかし、専門要員はすぐには育成できないし、同じように研修や経験を積んでもセンスや素質面から、旨くこなせる人間が限られてくることがあるのだろう。一方でこのような専門的な知識を必要とする機会は限られていると思われる。

 そこで、必要な人間を本部に確保しておけばテレビ電話を利用することで、店舗の顧客への対応が可能になる。つまり「より少ない人員=低コスト」で求められるサービスが可能になる。

・サービス強化による差別化
 恐らく顧客は何度もお店には足を運びたがらないだろう、だから店に来ていただいたときこそ購買につなげる必要があるといえる。
つまり、お店で購入したい商品について相談を受けたときその場で的確に対応できないと販売の機会を逸する可能性が高いことになる。

 そこで、店の店員で対応できない場合にテレビ電話を利用し的確にサポートできれば、このような問題を回避できる可能性がある。

 もう一つ考えられるのは、記事にあったカフェのように自社のサービスとは別のサービスを提供することで自社のサービスの価値を高めるという方法への利用である。
コーヒー店は美味しいコーヒーとくつろぎの空間を提供することだが、その時間を利用して留学の相談サービスを提供となると、留学制度などの知識は外部に頼ることになる。
しかもいつもこのような相談があるとは限らない、だから必要なときだけ相談に乗れる仕組みを実現すればよいことになる。この仕掛けとしてテレビ電話を利用したということである。

このような方法が旨くいけば、コーヒーを飲みながら相談したいこと、例えば就職相談、旅行相談、結婚式含めた相談、対人関係の悩み相談など立地上の顧客特性に応じた相談メニューが考えられる。おまけに充実した相談サービスなら有料にすることも可能になるだろう。


 プラス面ばかり述べてきたが、最後にマイナス面も考えて見たい。

・顧客の感情
 テレビ電話で対応し貰うことで感激する人もいる反面、自宅ならいざ知らず来店しているのに、何故店先でわざわざテレビ電話で説明を受けたりしなければならないのか、店側の手抜きではないのか、といった感情が起きる可能性があるだろう。

 また、店を出てすぐに聞き忘れたことを思い出したとき、テレビ電話で再度聞くのかと思うと店に戻って聞く気にならない可能性が強いだろう。
さらに、いつ来店してもテレビ電話で相談だと、「何だこの店は」と感じるようになるだろう。


 ということは、お客にも負担をかけているという意識を持つ必要がありそうだ。
それゆえ店の店員との連携や相談後のフォロー(自宅からの相談も可能にしたり店側から確認の電話を入れる)などの気配りが必要になるのではないだろうか。

・まとめ
しかし、テレビ電話が安価な仕掛けでお店の価値を高める道具として有効なことは間違いのないところだろう。まさしくネット社会のビジネスツールといえる。
実店舗の業務とテレビ電話での業務をどう旨く使い分けるか、その知恵が試されているといえる


本日のその他の記事
・りそな銀、携帯でキャッシュカード停止・解除。(4面)
 http://it.nikkei.co.jp/security/news/index.aspx?i=2005101108462ca
・楽天とドコモ、ネット競売を共同展開、ヤフー追撃。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?i=2005101108939fa
・個人ネット競売活況。高速化など後押し。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005101109080ba
・TBS、11月から番組ネット配信に参入。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005101108759ba
・米ワーナーとNTTなど。デジタルシネマ実験へ。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=20051011ea000ea
・日立、静脈認証を海外展開。(13面)
 http://it.nikkei.co.jp/security/news/index.aspx?i=2005101107376ca
・ヤマト運輸、配達不在時のメール連絡を開始。(13面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005101106756ba
・JCB、創建と提携。居住者向け限定カード。(13面)
 http://www.k-skn.com/
・知財コンサルのIPX、競合製品の特許侵害検査。(15面)
 http://www.ipx.co.jp/jap/index.html
ライトアップ、中小向け低価格のブログシステムを開発。(15面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005101108192ba
・保険比較・見積のファイナンス・オール、携帯サイトのマーズと提携。(15面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005101108175ba
・ネクスト、楽天と組み新築マンションの販促。(15面)
 http://www.nextjp.com/
・オリコン、独自番組を無料配信。(15面)
 http://www.oricon.co.jp/
・求人広告のエン・ジャパン、新卒向けを自動検索。(15面)
 http://www.en-japan.com/
・ハミングヘッズ、情報漏洩防止で中国語版。(15面)
 http://www.hummingheads.co.jp/
などがあった。
また、静岡版には
・静岡中央銀行、ネットバンキング強化。中小向けローン全国展開。
 http://www.shizuokachuo-bank.co.jp/
があった。



posted by ネット社会の水先案内人 at 22:35| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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