2005年09月09日

電子マネーの安全策を。(社説:2面)

 今日の日本経済新聞の社説には、電子マネーの更なる普及・促進にためには安全策が重要との提言が掲載されていました。日経MJには電子マネーの規格乱立について掲載されていました。

社説(日本経済新聞(2005.9.9))には

 硬貨の流通枚数の減少に影響を与え始めるなど、電子マネーが簡便な決済手段として需要が高いが、銀行の偽造カードや個人情報流出事件などが増えていることもあり利用には注意が必要だ。

電子マネーはICに金銭情報を記録し、プリペイドカードのように使えるようにしたもので、スイカやエディはソニーが開発した非接触型ICカード技術の「フェリカ」を使っている。

電子マネーはクレジットカードのような認証作業や小銭の受け渡しが要らないため、駅やスーパーなどで迅速に決済ができる。利用者も小銭を持つ必要がなく、ポイント割引などのサービスも受けられる。
さらに電子マネー付の携帯電話が発売され、来年1月からは買い物だけでなく携帯電話でJR東日本の改札が通れる。

 問題は利便性や経済性の一方で安全性や個人情報をどう守るかだ。
電子マネーは硬貨の偽造対策として開発されたが、国際標準に基づき暗号や匿名性を高めたICカードは使いにくく普及しなかった。NTTもテレフォンカードをIC化したが、需要の割にはシステム費用がかかり、結局はやめざるを得なかった。

 フェリカは処理速度を優先したことが奏効したが、そのためのネットワークの運営コストは安くない。
独自技術のため仕様を公開していないが、国際標準として認知されるには公開が必要で、その際の安全性をどう担保するかも課題だ。
利用者はプリペイドカード法で金銭的には保護されるが、仕様履歴は誰でも読み取れるため注意が必要である。

 電子マネーは航空会社のマイレージカードとの連携など販売促進の手段としても需要が高まっている。
特にネット経済では重要な決済手段になるに違いない。
それだけに信頼性が損なわれぬような安全な利用環境と利用者への説明が重要である。


とある。また日経MJには、電子マネーの規格が乱立していることについて、以下のように記載されていました。(日経MJサイトhttp://www.nikkei.co.jp/mj/より)

 数百円、数千円の小額決済を巡り、電子マネーとクレジットカード各社が入り乱れて顧客の争奪戦を演じている。今後数年で各社の発行するカードは携帯電話に内蔵される可能性が高く、それまでに主導権を握った陣営しか生き残れないと見られるためだ。現在は互換性のない規格が乱立しているが今後合従連衡が進むのは確実。市場争奪戦の行方は消費者の利便性にも直結する。

とあった。

 この2つの記事は電子マネーの課題を示しているといえる。
安全性規格統一という課題だ。

もともと小額の決済用に生まれてきた電子マネーなので、利便性を優先してきたといえる。しかし最近はクレジット機能が付加されてきたりして、決済金額が大きくなる傾向にあるようにも感じる。
扱える金額が大きくなってきたり、クレジット機能で不足分を自動補充するようになるとやはり安全性への配慮が重要となる。
現状では、あらかじめ入金する金額を小額にしたり、絶対紛失しないようにチェーン付ケースに入れるなどの工夫をするしかないのが実態だろう。
将来的には、必ず体につけた何かと携帯電話が通信することで本人しか決済できないといったようなコストをあまり必要としない防止策ができるだろう。

もう一つの規格の問題は、意外に解決が難しい問題といえる。
複数の規格が存在すればお店のレジも複数の電子マネーが取り扱えるように機器を整備する必要が生じる。しかしコストの問題から現実には特定の電子マネーしか取り扱えないお店が増えることになる。その結果、消費者が複数の電子マネーを持つことになる。

解決のためには、規格を一つにするか、個々の規格は容認しつつ、一つの機械で複数の規格を扱えるようにするかである。
先ず前者は、それぞれ規格を開発した企業のこだわりなどから、おいそれと統一は難しい。どれにも類似しない全く新たな仕組みができない限り難しいといえる。

後者の場合は、複数の規格それぞれにそれなりの技術・ノウハウがあるので他社に公開したくないとの思いが強いと思われる。よって、一つの機械やソフトウェアで複数の電子マネーを扱うのは難しいだろう。

そこで現実的な解決策は、時間はかかるが普及率(シェア)ということになるだろう。どれだけのお店や消費者に支持されるかが重要ということになる。
広い範囲で利用できればできるほど、利便性は益々高くなる。

そして利用が広がれば、安全性は極めて大事ということになる。

電子マネーは難しい舵取りが続きそうな気配だ。



本日のその他の記事
・システムLSI、日立・東芝など共同生産。国内勢で受託会社。(1面)
 http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?i=2005090809987aa
・[社説]電子マネーの安全策を(2面)
・営業秘密、企業は特定を。従業員の守秘義務範囲、経産省が指針。(5面)
 http://www.meti.go.jp/press/20050908005/20050908005.html
・携帯プレーヤー2強対激突。アップルとソニー。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=2005090807710ea
 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=20050908ea003ea
・BSデジタル1000万件突破。(11面)
・楽天、来春、米で仮想商店街。(11面)
 http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?i=2005090809453ba
・無線ICタグにIIJ本格参入。(13面)
 http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?i=2005090809481aa
・マイクロソフト、特許の相互利用強化。日本企業と2年で30以上。(13面)
 http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?i=2005090809989aa
・コクドとプリンスホテル、再建へ共同営業。予約システムも統一。(15面)
・三菱電機が非接触型指紋認証装置、偽造の指を区別。(15面)
 http://it.nikkei.co.jp/security/news/index.aspx?i=2005090807511ca
インデックス、音楽配信の新会社設立。(15面)
・ニチイ学館、145人分の患者情報紛失。(15面)
 http://it.nikkei.co.jp/security/news/index.aspx?i=2005090807834ca
・照明の光で情報伝達、点滅をPDAで受信。美術館案内に応用。(17面)
・歩きながら発電、米大開発。上下動利用のリュック型装置。(17面)
・人間型ロボ、雨にも負けず働く。災害復旧用に活用。(17面)
・[次世代技術・本命を争う]超高速無線技術・上、携帯が光ファイバーを猛追。(17面)
などがあった。
posted by ネット社会の水先案内人 at 21:53| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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