流通段階での活用ではなく、店頭での顧客サービス向上への応用ということです。
ICタグの活用場面は益々広がりそうですね。
記事(日本経済新聞(2005.9.7))には
無線で情報の読み取りが出来るICタグ(荷札)が小売店やサービス施設の消費の現場に相次ぎ登場し、買い物のスタイルを変えつつある。
これまでは物流や在庫管理などに使われることが多かったが、店頭での予約・料金精算や服飾雑貨のコーディネート提案などにも活用。
買い物客の利便性の向上や店の売上拡大に一役買っている。
大阪のアミューズメント施設ででは、リストバンド型のICタグを活用した会計システムを導入した。入店時リストバンドを受け取り、タグの読み取り機にかざせば店内のボウリング、カラオケなど全ての施設が利用できる。ボウリングの予約や自販機の支払いもタグをかざすだけ。料金はタグに記録されており、帰る際に一括して精算する仕組みだ。
「いちいち支払う手間が省けて便利。ついつい多くの施設を使ってしまい、財布の紐が緩みがち」との顧客の声。散在対策として合計の上限金額を設けているが、予想を上回る売上だ。
紳士服の青山商事では、若者スーツ専門店でICタグ導入を準備中。
紳士向けの靴につけたICタグには生産地や色の種類などの商品情報を記憶。その靴に合う服装の写真や着こなしの提案なども画面に表示する。店頭の専門端末で顧客が在庫検索をすることも可能。「店員に話しかけられるのを嫌うお客さんも、煩わしさを感じずに自由に買い物ができる」と見る。福山市での店舗実験で実用化に向けた手応えを得たという。
三越日本橋店、阪急梅田店では婦人向けの靴売り場にICタグを導入している。
読み取り機に乗せると品番や色、サイズのほか同じ型の在庫状況が一目でわかる。
「在庫確認待ちの時間が減った」と顧客には好評。
三越日本橋店では対象ブランドの販売額が対前年比平均20%増えた。
矢野経によると、ICタグの国内需要は03年37億5200万円(実績)が05年には43億4千万円、10年には258億4千万円に一気に拡大する見通し。
業巣別では増え方が圧倒的な物流部門を除き、まだ導入が始まったばかりの流通部門やアミューズメント部問は、将来的に製造部門を大きく上回る成長を遂げると予想されている。http://www.yanoresearch.jp/pdf/press/041202.pdf
ICタグは、数十キロバイトの記憶容量を持つので、数バイトのバーコードや数十バイトの2次元バーコードに比べて販売方法への応用力は桁違いに大きい。
既に携帯電話などと組み合わせた新たな販促方法なども研究されている。
「コストの問題もあるが有効な使い方が見つかれば予想以上に速いペースで普及可能性がある。」とみずほ情報総研。
とある。
ICタグの利用法はこれらの試行のようにいろいろな仕組みが考えられるだろう。
コミュニケーションは当然のごとく、「人と人とのコミュニケーション」を意味していたがICタグの普及で、モノと人、モノとモノのコミュニケーションも生まれそうだ。
商品知識と顧客への高度なサービスを要求される店頭では非常に有効なツールといえるのではないだろうか。
モノに製造履歴、流通経路などの情報があることでブランドの価値を高めることが出来るに違いない。
参考資料に経産省が実施した「電子タグ実証実験の成果」を上げておく。
業種ごとの利用方法がイメージできると思う。
ICタグの価格も10円を下回る価格になれば急速に普及すると思われる。
今後ともICタグに関する動向には注目していきたい。
参考:
ICタグ(RFID)の情報サイト
http://itpro.nikkeibp.co.jp/rfid/index.html
活用事例
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NBY/RFID/20040524/1/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NBY/RFID/20040527/1/
経済産業省の16年度電子タグ実証実験の成果
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/tag/jisshou.htm
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記事詳細:http://www.aplix.co.jp/jp/ir/disclose/pdf/ir050907.pdfhttp://www.aplix.co.jp/jp/release/2005/pr050907.html
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などがあった。