2005年08月25日

[グーグルどこまで強いか:下]台頭するライバル、強さが生むあつれき。(13面)

 今年の夏、「クールビズ」の導入で百貨店など紳士用品の売上増が店全体の売り上げ増に寄与したようです。
 2匹目のドジョウ狙い?というよりも、こちらのほうが省エネ効果が大きいそうですが今度は暖房温度を下げベストやハイネックのセーター、重ね着などの「ウォームビズ」を進めるそうです。
 この「ウォームビズ」は対象が男女ともになるため、これによる経済波及効果は2323億円と第一生命経済研究所が試算しています。

 いずれにしましても原油価格の高騰が収まる気配を見せませんので、嫌でも暖房に使うエネルギーを抑える必要に迫られ訳ですから、暖房温度を下げて厚着で過ごすというのは仕方のないことでしょう。

 今日は、特集記事「グーグルはどこまで強いか」の最終回をとりあげます。
グーグルとは、インターネット上の情報を指定したキーワードをもとに該当のページを検索してくれる、いわゆる検索サービスを提供する業界No.1会社です。
同様なサービスを提供する会社として、ヤフーやMSN(マイクロソフト)などがあります。
 グーグル(Google: http://www.google.co.jp/ )

記事(日本経済新聞(2005.8.25))によると

 グーグルに対する競合の追い上げは厳しい。
 MSNは利用者満足度を半年前より45%と2ポイント高め、ヤフーはゲーム会社買収やテレビ・映画会社との提携などで集客力を高めている。

 追われるグーグルは単なる検索技術企業を超えた存在になろうとしている。
22日に発表した無料ソフト「サイド・バー」は、利用者がネットで閲覧する情報を常時監視。利用履歴から利用者が好む情報を自動分析したうえで、ニュースや株価、ウェブページ、写真、天気予報など種類別に分類して画面隅に一覧表示する。
同種の機能はヤフーやMSNも提供するが好みを自動分析するのはグーグルだけ。

新聞社やテレビ局が持つ情報の取捨選択機能を代替するもので、メディア企業の警戒感は強い。

仏AFP通信はニュース記事を無承認で記事を配信しているとして提訴した。
AFPの弁護士は「グーグルのニュースページはまるで新聞だ」と憤慨する。

1500万冊以上の大学図書館の蔵書の中身を電子ファイルにして検索可能とする「電子図書館」構想は、米出版業界が著作権侵害を増長するとして批判を浴びせる。

グーグルのCEOエリック・シュミットは「世界中の情報を入手する最短経路はグーグル経由になるだろう」と同社をネット情報の「門番」と位置づける。

ただ、マイクロソフトが各国で独占禁止法違反で訴えられたように、強くなるほど摩擦も大きくなる。
グーグルの最大の課題は、強さが招くあつれきへの対応かもしれない。


とある。

 私も、昔はヤフーでのページ検索が多かったがいつの間にかグーグルを多用するようになった。
統計をとって調べたわけではないが感覚的に欲しい情報が1ページ目に来る確率が高いように感じている。
裏に凄い仕掛けがあるのかもしれない、それが強さの秘密かもしれない。

しかし他社も競争を仕掛けてくる。

それに対抗するため、個人の特性や好みに合わせ必要とされる情報の一覧を表示する機能を提供したらしい。
日本語版のグーグル用サイドバーが提供されれば是非試してみたい。

ビジネスから見ると、グーグルのような機能を提供する会社は、ネット上の膨大な情報の入り口(ポータルサイト)として多くの人を集めることで広告の価値を上げより大きな広告収入を得ている。

従って、どれだけ多くの人を自社のサイトに呼び寄せ、自社のコンテンツを見てもらうかが重要となる。

そのための囲い込み策が個人向け情報収集サービスということになるのだろう。
このサービスを利用することで、自分の好みの情報をそつなく集めてくれたら、もう他社のサービスには戻れないだろう。
その意味で凄いサービスということになるだろう。

強すぎるとそれはそれで問題も生じるリスクがあるとのこと。
このような問題で悩んでみたいものだ。


本日の「ネットと文明」要約版
(*あくまでも個人的利用の目的で新聞記事を要約していますので個人的見解が含まれている部分もあります。)




・第一部今、そこにある未来4−所有って何?「持たない族」が経済に風穴(1面)
 転居時に家具を持って移動しない、現地で中古品などをネットで調達、不要時もネットで売却。
 「所有って何」。ネットはそんな問いを投げ掛ける。
 一方、音楽はCDなどの媒体が不要に。購入してもディスクにコピー保存。
 「音楽は聴ければ十分。希少本もCDもネットで探せる。モノ自体を持ち続ける必要はない」
 ネット配信がこの流れを加速し、旧来の販売手法や価格設定を揺さぶる。

 モノを所有する時代から、サービスや価値を消費する時代。
 「商品を買わない消費様式が広がり、資源を無駄にしない循環型社会に結びつく」

 政府機関と電力会社が組み、家電や自動車などを家庭にリースする制度を計画中だ。

 ネットの普及が大量生産・大量消費を前提とした現代文明に転換を迫る。

 特産の「土佐文旦(ぶんたん)」づくりは肥料の開発や栽培に工夫を凝らし、品質には自信がある。
 市場の片隅で売れ残る屈辱に悩んだ末、ネット直販に絞った。
 1個1200円と従来の3倍の値段でも全国から注文が入る。年商は当初の5割増。
 食材にこだわる消費者と生産者をネットが結び、既存の流通機構や農業の袋小路を破る。

 片や、家電量販店で価格比較サイトで調べた最安値を示し値引きを迫る客がめっきり増えた。
 従来は知ることのなかった情報との出会い。
 「消費者は圧倒的に多くの選択肢と大きな自由を持つ」と学者は注目する。
 選択に迷いつつも、生産者側の論理をそのまま受け入れてきた従来の構図が崩れる。

 ネットはおカネの使い方だけでなく、おカネのあり方にまで影響を及ぼす。
 今治の竹製地域通貨「バンブー」など地域固有の通貨を電子マネーに切り替え、全国で流通させる計画が進む。
 東京でのボランティア活動で得た地域通貨を、田舎の母の肩揉みの代金に利用すといったことができる。
 地域通貨の相互流通が進めば、現実の通貨では得られない新たな価値を共有できるようになるだろう。

 また、航空機利用マイレージなどのポイントを他に転用できるサービスも浸透。
 ネット取引で得るポイントの換金制度など実際の通貨を代替・補完する「ポイント経済」も広がる。

 「貨幣を実際に動かさずに帳簿上の転記だけで済むのがネットの時代
 「金融政策も通貨量ではなく利子率の管理だけで十分となる」

 以上、所有概念、価格決定、貨幣論・・・。
 普遍的な法則を追求してきた従来の経済学は、"常識"を裏切る出来事が相次ぐネットの奔流をとらえきれない。
 社会の新しい価値や生きた経済の力を読み直す時代に来ている。


・企業は今4−新製品の旬、短命に追い打ち。情報独占崩れ値下げ圧力。(11面)
 インターネットが情報の「大衆化」をもたらし、企業や一部マニアが占有していた情報を一般の人々が入手できるようになった。
 交渉の武器を持った消費者は商品の値決めなどで優位に立つ

カーナビに精通したカリスマ消費者が運営する「らくなび大辞典」は分析は精緻かつ網羅的で、専門家も舌を巻くほどとのことで、このサイトの評価が製品の売れ行きを左右することもあるそうだ。
  らくなび大辞典 http://rakunavi.daijiten.com/

 ネットを通じた"半・公的"情報の発信が企業を揺さぶる。
「情報」という財の自由な流通が、従来の生産者と消費者の関係を根底から変えようとしている

 冷蔵庫など家電製品の「店頭での異常な値下がり」は、消費者による値下げ圧力に加え、ネット掲示板などを通じた消費者同士の取引などの影響によるぶぶんもある。

 新製品が安定して利益を上げる「旬」の時期は加速度的に短くなる

 企業が価格の決定権を独り占めできた時代は終わりつつある。
 かつて京セラの稲盛名誉会長が「値決めの目標は、客が喜んで買う価格を見出すこと。
 経営者の能力と哲学の反映」と話された供給者の論理もネットの力の前ではかすみ始めている。 


・[経済教室]ネットと文明3−文化との相克乗り越えよ。貨幣が攻防の舞台。(27面) 
 貨幣を歴史的に見ると、神や国王などの権威を前提とした信頼で機能する貨幣と交換で培われた効率・利便の追求心が互いの信頼を生み経済上の権威としての貨幣がある。
 ただし、双方の視点とも「権威−信頼−利便性」という関連で貨幣の本質をとらえる点では共通する。
 こうした本質を秘めながら、貨幣は市場経済の発展、資本主義経済の登場とともに大きく変貌してきた。
 そして、ドルが金兌換を停止するに至り、貨幣は物品性を失い、文化力も貨幣から遠ざかり、貨幣を抽象化させた。
情報化が貨幣を電子化しデジタル化させ、お金が数字で表現され、数字が通信回線で移動することでこの抽象化を加速させた。

光速での貨幣流通はインターネットなどに代表される情報文明に時代に貨幣をどのように変革させるだろうか。
円の流通には日本の政治、文化・伝統、社会といった国家基盤があり、それが円に権威を与えている。円は光速化してもなお文化性を帯びている。
ユーロは欧州の権威を維持しつつ、欧州の文明に即した「文明通貨」を作る試みである。政治・社会・文化をある程度犠牲にして経済をとるか、経済にはある程度目をつむるかという点で、ユーロはどっちつかずの「宙づり」の状態にあるのが現状だ。

こうした点は、各国の文化から切り離された文明通貨が今後更に拡大していくとの見方を可能にする。
いまのところ、米国以外での流通量の膨大で、財・サービスの交換手段、そして各国の通貨の媒介手段として不動の地位を確保していることから、この文明通貨の代表格がドルである。

利便性からネット取引の拡大などを通じ文明貨幣の役割は増す。
しかし一方的にそれが進むとは考えにくい。
インターネットも利用しつつ、文明貨幣の対極として世界各地で多数の地域通貨が生まれてきている。
現時点では全てマイナーでローカルではあるが、文化性を保てるという点で意義があるだろう。

インターネット文明が広がり浸透する時代に貨幣の文化性と文明性の折り合いを付けることが、グローバル市場経済と各国・地域経済を調和させるうえで不可欠だ。
貨幣の文化性・文明性の折り合いを付けられるのは、広い意味での文化形態としての国家、それらの間の協調と有効な工夫以外にない

 (甲南大学教授 吉沢 英成氏)

本日のその他の記事
・ネット不正取引、被害補償、法人に拡大(7面)
・マネックス・ビーンズ証券、夜間取引手数料下げ。1取引500円に。(7面)
・ソニー、液晶パネルサムスンと開発。薄型TV「ベガ」と決別。(11面)
・IT協力、日印で拡大。産学官フォーラム発足。ソフト開発や技術者育成。(11面)
・ヤフー日本法人、完全自動検索に移行。閲覧数伸ばすグーグル型に。(13面)
・ルネサステクノロジ、次世代中核半導体開発、3−4割安で携帯メーカに。(13面)
・トミー、タカラ合併後事業計画発表。玩具・デジタルに集中。(15面)
・明治乳業、倉庫のシステム刷新。荷動きを即時管理。(15面)
・ヨドバシカメラ秋葉原店、売り場面積、家電店で最大。(15面)
・リーバイス、東急百、ニューバランス、体のサイズ瞬時に計測。「ぴったり商品」安心購入。(35面)
・日立、ハイビジョン同時録画、1テラバイトHDD搭載DVDレコーダ。(35面)
・ユニクロ、9990円「紺ブレザー」ネット通販限定販売。(35面)
・警視庁、対策ソフト開発会社(2社)に有害サイト情報を提供へ。(42面)
などがあった。
  


posted by ネット社会の水先案内人 at 21:05| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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