ブログに投稿された記事から、特定の商品に関する消費者の評価や評判を収集し分析するサービスが次々と登場しているようです。
ブログに書かれる内容には、その商品についての率直な意見があるとの期待もあるようです。
日経新聞(2006.11.21、夕刊1面)には
■商品開発へ、ブログ分析。支援サービス広がる。
インターネット上のブログ(日記風簡易ホームページ)を市場調査に生かす試みが広がってきた。ソフト会社などが多数のブログでの書き込みを分析して消費者の意識を調べるシステムを開発し、実用化を進めている。企業側の質問に答えるアンケートより消費者の本音が引き出しやすいとみる向きもあり、商品の開発や店舗の改装における意識調査として利用されつつある。
ソフト開発のキーウォーカー(東京・港)は200万人分のブログを検索し、商品やサービスに対する注目度を分析するシステムを開発した。商品の感想などを書き込んだブログを見つけると、ブログ内の他の情報を参考にしながら評判の地域別、性別特徴なども分析する。利用料は月間5万円で来春に発売する。
同業のC2cube(東京・渋谷)は来月、ブログに書き込まれた商品の評判を10段階に数値化するサービスを始める。220万人分のブログを検索し「気に入った」など商品に対するコメントを収集・分析する。
三菱総合研究所などが出資するネット調査会社、マーケティング・リソース・センターは、商品名の前後に登場する言葉から商品がどう評価されているかを調べるサービスを始める。15万円からサービスを請け負う。ネット広告代理店のセプテーニも、システム開発のアライドアーキテクツと組んでブログを活用した市場調査の支援事業に乗り出す。
とあります。
ネット社会だから成り立つビジネスといえそうです。
多くの人が書いた記事から、特定のキーワードを含む記事(発言)を探し出すのは、今の技術では難しいことではありません。
従って、記事を集めるのは難しくありませんが、集めた記事から何を読み取るかが重要といえます。夕刊の記事からも、地域や性別で分析したり、評判の数値化を試みたりと分析に特徴を出そうとしていることが窺えます。
本当は、もっと企業に気軽に意見が言えたり、いただいた意見にそれなりの取り組みをするなど、企業がもっと消費者との間で交流が促進されるような仕組みづくりこそが必要な気がします。
これらのサービスが今後どのように進化していくか興味はありますが、業者に委託するよりも自社で市場分析を行えるようにすることが重要と思います。なぜなら、分析軸は一つではなく、仮説検証の繰り返しの中から顧客の動向が見えてくるように感じるからです。つまり自社のビジネスの核心に関わるテーマだからこそ他社に頼るのは良くないように思います。