日本経済新聞(2006.11.18、夕刊1面)に東急グループなどが定期券に内蔵されているICカードを利用し、通学途上の子供達の安全を確認するサービスを来春事業化するといった記事がありました。
このようなサービスがビジネスになるような、子供が安心して自由に遊ぶことのできない社会となったことに寂しさを感じます。
記事には、
■ICカード活用、広がる・通学の安全、登下校など
鉄道・バスのICカード乗車券を使って児童の登下校などの情報を保護者に送信するサービスが広がり始めた。東京急行電鉄グループは学校に設置した端末にカードをかざすと、自動的に電子メールを送るサービスを来春事業化。関西の私鉄・バス共通カード運営会社は駅の通過情報を伝えるサービスを充実する。児童を狙った犯罪が多発、保護者の不安が高まっていることに対応する。
東急グループの警備会社、東急セキュリティ(東京・渋谷)は来年3月にサービスを開始する関東地方の私鉄・バス共通カード「PASMO(パスモ)」に独自サービスを追加する。登下校や入退室情報を保護者のパソコンや携帯電話に送信するシステムを東急線沿線の小学校、学習塾などに売り込む。
定期券機能を持つICカードを使うため複数のカードを持つ必要はない。
他に、関西の私鉄、警備会社、ドコモなども同様なサービスを強化していく。
とあります。(一部編集)
ICカードがこのような形で子供の安全をサポートするようになるというのは、複雑な気がしないでもないですが、この機能はいくつかのサービスへの広がりを示唆しています。
ICカード相当のものが荷物や商品に貼り付けられていれば、その物がいつ何処を通過したかが分かることとなります。特に現金輸送車などの安全監視に使えるでしょうし、もし盗難に遭っても、どのルートで動いているかが把握できる可能性もあるので犯人の逃走状況がつかめるようになると思われます。
このように、物流の世界では大きな変革が起きる可能性があるように思います。ただSFの世界と思われた、人間にユニークなICチップを埋め込むことで、誰がいつ何処にいたかなどが監視される世界にはならないで欲しいものです。
MIXIなどNETでの交流も盛んなようですが、やはり人間は五感でのコミュニケーションが必要なようですね。
個人の自由やプライバシーの尊重も必要ですが、大家族が一つ屋根で暮らしたり、ご近所との付き合いなども大切なのこも知れないですね。