10月から東大寺や興福寺、春日大社といった世界遺産がある奈良の街中にRFIDタグ(ucodeタグ)や電波マーカーを設置し、ハンドヘルド端末「ユビキタス・コミュニケータ(UC)」を使って「場所」を識別することで道案内や観光ガイドを行う「奈良自律移動支援プロジェクト実証実験」が開始された、そうです。
IT系の情報サイトの@ITのRFID情報コーナーの記事によると
奈良自律移動支援プロジェクト実証実験のオープニングセレモニーに登壇した柿本善也奈良県知事は「ユビキタス技術によって奈良が変わる」として実験に期待を寄せる。基本的な観光情報からちょっとしたトリビアまでデジタル化することで、観光客が自分の好みや興味に応じたプランを立てられるようになるだけでなく、予定外の寄り道なども期待できる。
奈良の場合、近鉄奈良駅から“奈良の大仏様”がある東大寺金堂まで約1.5キロの道のりの間に、神社仏閣、それに由来するさまざまな観光地が点在する。観光客がこれを全部回ろうと思えば、分厚い観光ガイドが必要になってしまう。これが UCに置き換わることで重さや煩わしさから解放される。また、デジタル化により音声、動画といったガイドブックにはない表現力を持ったコンテンツが提供できる。
さらに、実証実験の現地スタッフによれば、観光客の多くは駅から東大寺までの大通りから外れることがなく、どれだけ脇道に入ってもらえるかが課題だったという。実証実験で使われたUCでは、分岐点などで「まっすぐ行くと東大寺方面、右に曲がると東向商店街」といった案内が表示される。画面をクリック(タップ)することで、なぜ「東向」という名称なのかという補足情報や商店街内の土産物屋やレストランなどの情報が得られる。
このほか、UC内に拝観料の割引クーポンなども入っており、寄り道を“助長”する。奈良は京都から日帰り旅行が可能な距離にあり、滞在時間を長くすることで宿泊客の獲得にもつながるのではと期待されている。
最近では海外からの観光客も多いという。そこで、UCには日本語のほか、英語、中国語、韓国語のコンテンツが用意されている(言語設定で切り替えられる)。県知事は、「デジタル化することで、小さいハンディ端末で中身の濃いコンテンツが実現できる。実証実験から得られるデータを元に利便性を向上させたい。2010年の平城遷都1300年記念事業に向けて“器”と“コンテンツ”の両面で新しい奈良を作りたい」と語った。
とありました。
古都奈良は、観光ガイドブックを手にのんびりと散策するように楽しむほうが趣があるのかも知れませんが、このようなITを武器に名所旧跡を巡るのはどうなのでしょうね。
地元は、いろいろな場所を訪れてくれることで、ビジネスの拡大を期待しているようですが、観光客から見て本当に良いサービスとなっているかは評価が分かれるところかも知れません。
何か複雑な思いがしてしようがないのは、年のせいでしょうか。