電子申請を行うまでの準備が大変で利用するための機器やソフトウェアを新たに購入するケースもあります、省庁により利用する電子証明書が異なる、操作方法も当然のごとく統一されていないなど、「各省庁が国民不在で勝手に作った」といわれてもしかたない状況です。
本来なら、24時間いつでも電子申請ができれば国民は便利になるはずなのに、上記のような理由で利用が進んでいないことになります。
日本政府の要請を受けてマイクロソフトの日本法人は、関係省庁などのルート証明書を自動で配信するサービスを提供し、電子申請の利用促進に協力するとのことです。
日本経済新聞(2006.9.28、15面)には
■マイクロソフト、登録なしで行政手続き・「電子政府」後押し
マイクロソフト日本法人は、インターネットを通じて行政サービスが受けられる「電子政府」の利用促進を支援する。27日、転居届や婚姻届などをネット上で手続きする際に必要となる「電子証明書」を政府に代わってパソコン利用者に配信するサービスを始めた。手続きの簡略化で電子政府の普及が一段と進むと見ている。
総務省と複数の地方自治体が発行する電子証明書の配信をマイクロソフトが代行する。ソフトの不具合を修正するプログラムの配信システム「ウィンドウズ・アップデート」を活用し、証明書が自動的にパソコンに組み込まれる仕組み。メールなどで配信するのと違い、配信途中で第三者が証明書を改ざんすることなどが防げるという。
とあります。
私は、冒頭にも書きましたようにルート証明だけの問題では無いように思います。
今年の1月からスタートした「IT新改革戦略」では、2010年までに電子申請の利用率を50%以上にすることを目標としていますが、マイクロソフトの今回の機能だけでは恐らくその達成は不可能と思われます。
利用者視点からシステムを作らないとどうなるかを、つくづく思い知らされているように思います。