2006年08月07日

売り手の新発想、「あなただけに」

 「消費をつかむ」という特集記事にネットビジネスに関する話題が採り上げられていました。

 インターネットでお客の我が儘に対応できるように工夫してお総菜の注文を受け宅配を行うビジネスが急激に売上を伸ばしているとのことです。

 インターネットの普及で顧客側でもそれなりの情報が得られるようになったことで、売り手の論理が通じなくなり、顧客側の多様なニーズにどう対応できるかがビジネスを考えるうえで重要になってきたようです。

記事(日本経済新聞、2006.8.7、1面)には

 肉じゃがなど40種類の総菜を宅配するエムアウトの受注サイト「ウィッシュ・オン・デッシュ」。5月の開設以来、アクセスが日ごとに増え7月の売上は前月の1.5倍になった。

1年後、年間2億円を目指している。出来合いの品を置く総菜店と違い、食材も味付けも買い手が選ぶのが売り物だ。

 味付けは、例えばチキンソテーだと7種類。肉の部位やサラダに盛る野菜も指定でき、組み合わせはメニューの5倍の200通りになる。


 これだけの種類を鍋や釜で普通に作ると効率が悪いうえ売れ残りロスも出る。そこで注文を受けて小分けした食材と調味料をパックに詰めて調理することにした。小口でも手間や無駄が削れ、うまみも逃がさずに届けられるという。

 同社取締役は「消費者ビジネスは売り手主導だが、客が必要だと思うサービスを自由に選べる時が必ずくる」と、利用者の視点から食の「あつらえ消費」も掴もうとしている。
 お仕着せに飽きたらず、「私だけ」の商品を求めるニーズは強まっている。

(中略)

 「ポストデフレはコストを価格に転嫁すれば良かったインフレ時代とは違う」(日本総研の山田久研究員)ニーズとずれた無用な機能で高付加価値化を狙っても受け入れられない。売り手は徹底した無駄取りと顧客満足を高める取り組みの両方が必要になる。


とある。

 この記事の面白さは、顧客の我が儘に顧客が納得できるコストで応えることが出来れば(つまり顧客満足の高い状況を作り出せば)、価格の値崩れが起きずに、むしろ他社よりも高い価格でも顧客に支持される状態が作れるとのことではないでしょうか。

 先日の総務省が発表した今年度の情報通信白書でも、「6割以上の消費者が、商品購入前の情報収集においてインターネットを利用している。消費者はインターネットの利用により各店舗の比較が容易となることで、情報のミスマッチの解消が進み、高い満足を獲得できる」と述べている。

 つまり消費者のこのような行動は、ブログやSNSといった消費者同士のコミュニティなどの評判とも相まって、より強まる傾向にあるといえます。
 従来は「認知的不協和」の状態になり買ってしまってから購買行為を納得しようとしていた消費者が、いまではネットで価格の状況や商品の機能比較、果ては購入者の評判まで調べたうえで購入しているので、十分に納得性を持って購入していることなどから、満足度が上がっていると見ることが出来ます


 従って企業は商品やサービスの質や価値を高めるためにも、消費者のこのような行動を意識しインターネットも含めた消費者とのコミュニケーションを考える必要があるのではないでしょうか。

 もしあなたの会社やお店がホームページやブログを持っていないとしたら、それだけで消費者から選択される機会を自ら放棄していることになるといえるのではないでしょうか。


本日のその他の記事
・米新聞大手が業績不振続きで経営改革を急いでいる。(7面)
・マイクロソフトとSAPジャパンは両社の業務ソフト(オフィスとMySAP)を連動させるソフトを共同開発した。(9面)
・民間気象情報のウェザーニュース、個人向けの気象情報を携帯やパソコンで見られる新しいタイプの気象情報サービスを始める。(11面)
・ヤフー、企業や個人が発行するメールマガジンを手軽に発行、購読できるサービスを始める。使い勝手を向上させ先行サービスを追いかける。(11面)
・グーグル、日本語の学術論文をインターネットから無料で検索できるサービスを年内に始める。(19面)
などがあった。
posted by ネット社会の水先案内人 at 21:04| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/22053862
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。