2006年07月23日

ネット時代のコンテンツ市場は

 インターネットの進展や通信速度の高速化は、音楽や映画といったコンテンツの配信に自由度をもたらしたといえそうです。最近特にこのようなコンテンツの配信をサービスの軸としたビジネスが次々と誕生しているようにも感じます。

 ウォルトディズニーにおけるネット配信ビジネスについてボブ・アイガーCEOのインタビュー記事がありました。

記事(日本経済新聞、2006.7.23、7面)には

 アップルの音楽ネット配信サービスで、ディズニー傘下のTV局ABCのドラマも配信している。これの業界初のサービスということもあり売上は予想をはるかに超えている。
この成功が、ネットをもっと積極的に経営に生かさねばと社内に浸透させた。

メディア企業の経営は創造力と技術の組み合わせだ。技術の進化や変化に適応し、自ら積極的にビジネスモデルを変える必要がある。米映画界もそれに気づき始めた。


 デジタル時代の最大の変化は、コンテンツ流通の決定権が供給者から消費者に移った。音楽業界は消費者のニーズを無視し既存の仕組みを維持しようとした。音楽配信で無料交換が流行したり、低価格化向かったのは消費者のニーズによる。我々は消費者の声を最重要視し、このような過ちを繰り返さないようにする。

 映像のネット配信への移行でDVDの需要が減少するだろう。しかし現在主流のコピー禁止の配信方法では消費者は満足しない。消費者はDVDなどにコピーして好きな場所で好きな装置で楽しむものになる。またネット上では国境の意味が薄れるため、国別に映画の封切りやDVDの販売時期を設定する従来手法が通じなくなる側面もある。

 だがネットで失うものより得るものほうが大きい。消費者の視聴形態がPC、携帯、大画面テレビなどに多様化し、より多くの人がコンテンツを消費する可能性がある。これは成長機会そのものだ。映画のコピー可能なダウンロードが普及するなら我々はそこでも必ずリーダーになる。

 著作権の保護期間延長の動きについて、技術の進歩で誰でもコンテンツを創造して広めることが可能になり、創造活動はむしろ活発化している。保護期間は影響しない。デジタル技術は品質劣化を生じさせないため著作権制度と摩擦を生む性質を持っている。

誰もがコンテンツを楽しみ自由に創造活動ができるように、コピーや二次利用に対する制限を今より柔軟にすべきだろう。1回もコピーできないようなかたくななやり方は消費者に受け入れられない。


とある。(一部編集・省略)

 ある意味、デジタル技術の進歩やネット配信の普及などは、ディズニーにとって脅威であるには違いないと思われるますが、アイガーCEOは「失うものより得るものほうが大きい。コンテンツ市場という見方をすれば市場の拡大を意味しむしろ成長機会だ。」と捉えているようです。

 コンテンツビジネスが今後どうなるかは予測が難しいといえますが、恐らくアイガーCEOの頭の中には、多くの消費者に指示される質の良いコンテンツがありさえすれば、むしろ多様な市場創造され、その結果事業機会が増加すると見ているように思います。

 実際ビジネスをしている者からすると、なかなか変化をこのように捉えることは難しいのではないでしょうか。しかし自社の強みである「良質なコンテンツを生み出す能力」を改めて眺めてみると、DVD市場だけを見れば脅威のように見えますが、むしろコンテンツを扱う市場の種類が増えるとみることができ、成長機会と考えたようです。

 日本のメディアにも参考になる視点ではないでしょうか。


本日のその他の記事
・[社説]ネットの安全は社会の協働で。(今年度の警察白書から。)(2面)
・NEC、サーバー生産自社に集約。一層の低価格化対応とトヨタ生産方式の定着で。(7面)
・NTTコミュニケーションズ、中国で企業向け通信サービスを強化。(7面)
・[家計]ネットオークションの利用法と注意点。(15面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 20:28| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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