2006年06月23日

成熟時代の逆説。「死に筋」が売れ筋。


 最近web2.0という言葉をよく耳にします。この言葉はインターネット利用の新しい潮流を意味する概念的な言葉です。ネットに詳しくない人から見ると、なかなか理解するのが難しい言葉でもあります。

 しかし、ネットを利用してビジネスをしている人から見ると、今後の事業の方向性を考える上で重要な概念です。このweb2.0を象徴する出来事に「ロングテール」という言葉があります。ネットの世界では、少量しか売れない商品にも目を向けることが必要なようです。

記事(日本経済新聞(2006.6.23)1面:消費をつかむ、第2部成熟時代の逆説)には

 都会に住む2-30代の女性を狙った車、アイ。当初の販売目標をクリアしたが、購入層の7割が男性。また63%が40歳以上だ。アイの開発には3年、通常の倍以上のアンケート調査を重ねるなど綿密なマーケティングをした。狙った顧客にはメッセージが届かず、想像もしないところに消費者がいた。


 「年齢」、「性別」といった作り手の先入観を軽々と飛び越え、自分なりの価値観で商品を選ぶ消費者。従来型の方程式ではつかめない動きも出てきた。

 福岡のある消費者がお気に入りのチョコ菓子がコンビニの店頭から消えると聞き、ブログに書いた。1週間に十数個しか売れなかったチョコ菓子が福岡の1店舗で1800個売れた。これをきっかけに販売中止を撤回。今では全国区の人気商品となった。

 コンビニは販売データを睨んで「売れ筋」を決め、売れ行きの悪い「死に筋」商品を絞り込んできた。小売りの王者となったが「どの店も同じで面白くない」(ローソン社長)ことが今の低迷を招いた。

「気に入った商品がすぐに消えてしまう」という顧客の声は切り捨てられ、隠れたヒットの芽も摘まれていく。

 作り手や売り手が与える商品を消費者は受け取るしかなかった。しかし今の買い手は溢れる情報の海を泳ぎ、不規則に動く。データに頼った効率重視だけでは新たに生まれつつある鉱脈を見失う。現場の顧客の声に耳をすまし、机上のデータを疑う作業も必要だ。

 「売上高の80%は全体の20%の商品が生み出す」といった「80対20の法則」。
小売店が品揃えを売れ筋に絞る根拠となった。最近ではインターネット商取引の拡大に伴い、店舗では目にしないニッチな商品が売れる「ロングテール現象」も注目されている。


とある。

 ロングテールでよく事例としてあげられるのは、アマゾンです。
アマゾンでは、年に少ししか売れない書籍が一杯あり、これらの売上を積み上げると50%程度になるそうです。もしこれが実際の書店であったら、年に少ししか売れない本を在庫しておくのはコスト負担が大きく、利益は出ないと思われます。しかしネットでなら、注文の本だけを取り次げば良いこととなるので、販売のためのコスト負担は売れる数には関係なく、平均化されます。むしろ、欲しいと思った本は必ず買うことが出来るということで、顧客へのサービス向上につながります。

 つまり、インターネットが今までの販売の常識を否定し、考え方の異なった新しい常識を誕生させるということが出来ます。データの読み方も変わってきているといえます。


本日のその他の記事
・政府・与党は、NHKやNTTなどの通信・放送分野の改革で正式合意。(3面)
・次世代DVD、「価格・機能で競争」東芝、規格統一を断念。(11面)
・ソニーコミュニケーションネットワーク、携帯ゲーム機PSP向けに番組の無料配信を始める。(12面)
・音楽配信サイト運営のリッスンジャパン、7月から携帯向けの音楽配信事業を始める。(12面)
・三洋電機、ノキアとの携帯合弁を撤回。(12面)
・揺れる著作権保護、放送と通信融合の波紋。放送含め抜本改正を。権利処理の簡素化は国際条約に抵触の懸念。(13面)
などがあった。
posted by ネット社会の水先案内人 at 20:52| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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