2006年04月20日

全日空、国内線予約システムを27年ぶりに刷新


 比較的早くからコンピュータシステムを導入していた企業は、メインフレームといわれる汎用機上で動作するシステムを今も利用しているケースが多い。しかもこの汎用機上で動作する業務システムは、その企業の基幹的な業務を担っているように思います。

 一方で、ますます高性能で価格も安価になったサーバーを利用したシステムは、オープンシステムと呼ばれています。オープンシステムであれば、中国やインドの技術者を活用した開発も可能になります。

 従ってシステムの開発や維持・運用を考えると、汎用機はメーカー固有の技術となっていることもあり、オープンシステムに比べると技術者の確保の難しく、しかもコスト増にもなるようです。

 全日空もこのようなシステム環境にあるようで、今回大きな決断をされたようです。

記事(日本経済新聞(2006.4.20)11面)には

 全日本空輸(ANA)は国内線の予約システムを27年ぶりに全面刷新する。米ユニシスの航空会社向けソフトを自社向けに改良、2007年から12年にかけて、新システムに順次移行する。総投資額は100億円程度。国内線の予約、発券、チェックインなどを受け持つ基幹システムが対象。

 新システムでは、新しいサービスを導入する場合、開発期間の半減だけでなく開発費用も4割減を見込む。


現行システムは、基本設計が古く維持費がかさんでいた。今回のシステム刷新により今後10年間で保守などに必要なコストが70億円削減できると見ている。

 新システムは異なるメーカの機器やソフトを組み合わせて使うオープンシステムを採用。現行システムは大型汎用機を使用。全面刷新の過程でトラブルが生じないように6年間の移行期間を置く。

 ちなみに全日空の予約システムは全国にある約1万台の端末と接続し、1日最大650万件のアクセスがある。

とある。(一部要約)

 今後、全日空と同様に汎用機のシステムをオープンシステムに刷新するケースが増えるかもしれない。システムの安定度を考えると現状の仕組みを利用する方が当然優れている。

 しかし、汎用機を使いこなせる技術者が減りこそすれ増えることはないと予想される。しかも携帯電話などのモバイル機器からの多様なサービスをネットを介して行う必要が増えることを考えると、人材の確保が難しくなるとともに、開発・維持・運用にかかるコストも増大することが予想されるだろう。特に中国やベトナムなどから安いコストで技術者を確保するには一昔前の技術であることもあり難しく、コストのアドバンテージが享受できないことになる。

 こう考えると、オープンシステムでシステムを全面刷新するのは当然な流れといえるだろう。しかし、システムの安定度や安全性ということを考慮すると、システムの作り直しとなるのでリスクは大きくなる。そこで、全日空は6年の移行期間を設けてこのリスクに対処するとのことだ。

 いまも基幹システムを汎用機で運用している企業の情報担当責任者は難しい判断に悩んでいるように思えるので、全日空の今回のシステム刷新が参考事例となることだろう。


本日のその他の記事
・ヤフー、オークションの手数料を5%に上げ。詐欺防止対策などに投資のため。(11面)
・オリコン、今秋から音楽配信の総合ランキングづくりを始める。(12面)
・NEC、情報システム受託強化。運用費を最大50%程度削減できると。(13面)
・KDDI、ソフトバンクら通信事業者トップ総務大臣を訪れ、テレビ番組のネット配信の普及を目指す要望書を手渡した。(13面)
・ファミリーマートと伊藤忠商事、インターネットで食品に絞って通信販売するサイトを共同で開く。(35面)
・ネットマイル、インターネット上で発行する顧客ポイントを電子マネー「Edy」と交換するサービスを始めた。(35面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 20:00| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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