2006年04月10日

ロングテール


 今日は新聞休刊日なので、昨日に続き「インターネットの新潮流」を象徴する言葉として話題になっている「ロングテール」について少し触れてみます。


 ロングテールの意味は、文字通り「長いしっぽ」を表します。よく例に出されるのが本の通販サイトのamazonです。

 本は、ベストセラーといわれる特定のごく限られた本に多くの注文がある一方で、1年に1冊や数冊しか注文の入らない本の種類も非常に多くあります。

 これを売り上げの多い本の順にグラフ化するとまるで立ち上がった恐竜が横を向いている姿のようになり、ごく少ししか売れない本が無数にあるので、この恐竜のしっぽが地を這うように延々と続くグラフが描けます。

 しかし、amazon全体の売り上げを見てみると、年に少ししか売れない本もその種類が膨大なため合計すると、売り上げ全体の中では大きなウエイトを占めてくるようになるそうです。


 つまり従来「2対8の論理」としていわれていたように、売れ筋商品の品揃えを厚くし、ほとんど売れない商品は「死に筋」という形で切り捨てていました。つまりあまり売れない商品を在庫しておくには保管コストがかかりますし、商品1つあたりの販売コストを考えると売れても、損益面では赤字になったからです。

 ところがネットビジネスの世界ではもう少し違った見方が必要になりました。たまにしか売れない商品は、注文が来てから仕入れるという方法をとれば在庫リスクがなくなりますし、販売コストも注文情報を仕入れ先に通知したり、消費者への配送処理も情報をうまく持ち回ることで販売コストは人手でやることを考えると、極めて低いコストで対応できることとなります。むしろ品揃えを厚くすることで、このサイトに行けばどんな本でも必ずあるということで、より多くのお客が訪れることとなります。

 従ってたまにしか売れない本は「お荷物商品」ではなく、むしろ「競争力を高める商品」になるのです。このようにインターネットの世界では、リアル社会の常識が否定されることとなります。この背景には、高性能なコンピュータ機器の低価格化、安くて高速な通信回線の提供といったようにサービス提供側も消費者側も売買に係わる負担コストが極めて小さくなってきていることにあるといわれています。

 インターネットの更なる普及で、ネットならではのビジネススタイルも新しいスタイルのものが今後とも生まれてくることになると思われます。ビジネスをする人は、ネットの世界をもう知らないでは済まされないのではないでしょうか。



posted by ネット社会の水先案内人 at 22:01| 静岡 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | ネットビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ロングテール現象は興味深い現象ですね。データウェアハウスの理論をご存知の方は多少なりのショックを覚えたのではないでしょうか? 私もショックを覚えました。データウェアハウスでは、パレートの法則をベースにプロモーションを考えることを基本としていたからです。これからは、パレートの法則が成立しない場合があることを考慮する必要があるでしょう。

 ロングテール現象を知った時、「なぜ、パレートの法則が成立していたのか?」を考えました。それはおそらく、プロモーションの結果でしょう。マスプロモーションしかできなかった時には効率上、売れ筋の商品しかプロモーションしなかったのではと考えます。

 では、なぜパレートの法則が成立しない場面が出現したのか、それはレコメンド機能などのワン・ツー・ワン・マーケティング技術の発達により、テール部分に含まれる製品でも効果的なプロモーションが可能になったためではないでしょうか? もちろん、保管コストを低減できることも十分条件になっていることはわかります。

 さて、ロングテール現象は、ネットビジネスにだけに起きる現象でしょうか? 効果的なワン・ツー・ワン・マーケティングを実践さえできればリアルな社会でも起きるのではないかと考えます。それならば、企業の競争力を高めるには、品揃えをテール部分に広めることもありそうですが、真に重要なものは自分の顧客の求める商品だけに集中して品揃えをすることではないでしょうか?

 売れ筋とは何か、パレートの法則に頼っていた時には上位2割という考え方でしたが、ワン・ツー・ワン・マーケティングが発達した今では、自分の顧客が求める物、それが売れ筋であり、品揃えすべきものではないかと思うわけです。

おそまつでした。
Posted by T.A at 2006年04月12日 18:48
T.A さん

 中身の濃いコメントありがとうございます。

 私もマーケティングを勉強した中で、消費の多様化が中小企業にとって強みになってくるという話を聴きました。

 なぜかというと、ごく限られた特定のマーケットに絞り込んでも、中小企業なら十分収益を上げることのできる市場規模を確保できるからです。

 T.Aさんのいわれるように、画一的な大量生産の製品ではない、限られた顧客層にフォーカスした製品を提供するビジネスが成立するようになったということでしょう。様々なメディアやネットからの情報によりライフスタイルが多様化したことで、消費が画一的ではなく個性化してきたからでしょう。

 またこのような流れをネットが助けていると言えます。
自分の好みのサービスを簡単に検索できることや、このようなこだわり部分に関する情報が多く存在することによると思われます。

 ただいろいろな理屈付はそれとしてリアルであろうがネットであろうが、ビジネスの本質は、「お客様のニーズに応えること」につきるように思います。
Posted by ブログオナー at 2006年04月13日 09:18
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