2006年02月06日

取引先にウイルス流出、責任は?


 昨日は、ネットワーク上のセキュリティについての基本的な注意事項を書きましたが、今日は[法務]欄に、取引先にウイルスを流出させてしまった場合の責任について解説記事がありました。

記事(日本経済新聞(2006.2.6)16面)には

 メールやディスクなどの電子データで故意に相手のシステムにウイルス被害を与えると、電子計算機損壊等業務妨害罪などの刑事上の責任を問われかねない。

しかし、不注意で被害を与えた場合は刑事責任はない。ただ民事上の責任を負う恐れがある。民法709条の「不法行為」の規定では、過失の場合も損害賠償責任が生じるとしている。


 個人だけでなく、勤務先の会社も責任を問われる恐れがある。民法715条は従業員の行為に対する使用者の責任を規定している。

 メールや電子データを提供した目的によっては、不法行為と同時に契約上の義務違反にあたるおそれもある。

 賠償範囲はここのケースごとで異なる。ファイルを開いたパソコンが動かなくなれば、修理代などを負担する必要がありそうだ。

 ネットワークの他のパソコンに被害が及んだり第三者との取引に支障が出た場合などは、どこまで補償範囲になるかは微妙。「理論上は対象になりうるがウイルスと被害の関係を被害者側が立証する必要があるなど実際の損失算定は難しい」(五十嵐弁護士)。ウイルス対策を怠るなど被害者側にも落ち度があれば、過失相殺として賠償額の減額もありうる。

 こうした責任を抑えるためには、企業や個人はどんな対策をしておく必要が必要があるのか。ウイルス対策ソフトを入れさせすればいいと考えるのは危険だ。最近は社員の自宅パソコンが感染していたため、会社から持ち出したディスクの情報が流出した例もある。日頃から社内ルールや啓発を徹底することが大切だ。


とある。

 経営者の方々にセキュリティの問題を、経営上の問題としてとらえていただきたい理由をこの記事がよく表している。
ウイルスの例でいうと、ウイルスに感染しウイルスを撒いた従業の責任だけにとどまらず、対策や教育など経営者としての管理を適切に行っていないと経営サイドもその責任を問われる「両罰規定」となっているからだ。

しかし一番致命的なのは、このような問題を起こしたことによる会社としての信頼を失うことである。

そして更に、今後益々「官公庁との電子入札」や「取引先との電子商取引」とネットを利用した業務が増加することは間違いがない。このような問題で、入札停止や取引停止にでもなれば事業基盤にも影響が出ることになる。

従って情報セキュリティは、ISOなどの認証を受けること以前に、ネット社会の企業として当然業務の仕組みにしておく必要があり、経営の責任ということになります。

 参考:このような企業の課題を可決するため、「ネット社会対応の社内規定集」作りを進めています。

本日のその他の記事
・携帯各社の設備投資、新規参入や番号継続で「特需」2000億円。(1面)
・[ネットと文明:清濁の激流]試作品社会、「全員参加」喜びと困惑。(1面)
・[月曜経済観測]デジタル景気の行方、技術革新で消耗戦に転機と岡村東芝会長。(3面)
・ネット番組配信の権利処理簡素化、レコード会社や業界団体が許諾業務一括代行の仕組みづくりへ。(11面)
・日テレ、ニュース番組をそのままビデオ・オン・デマンド(VOD)方式でネット配信へ。(11面)
・ネットマーケティングのアクティブコアは通販サイトを訪れた消費者のページ閲覧履歴を分析するシステムを開発。(11面)
・サーバーホスティング事業のシーサイドネットはセコム子会社と提携し高水準のセキュリティー機能を備えたホスティングサービスを中小企業向けに提供。(11面)
・ぴあ、韓国の芸能ニュースを配信する携帯電話サイトを9日から始める。(11面)
・[メデイア仕掛け人]プレステのマーケティング総責任者、携帯ゲーム機はネット経由でソフトを更新し機能進化する。(11面)
・CCC社長、我々は貸しビデオ屋ではなく、フランチャイズ店に企画を売る会社。企画会社は情報を集めて加工し、ビジネスプランとしてお客様に提供するのが仕事。情報は2時間以上止めない。(15面)
・日立、塩の粒より小さい世界最小のICタグ用ICチップ開発。紙にも搭載可能に。(19面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 17:48| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | セキュリティ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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