2006年02月04日

[ネットと文明:清濁の激流]知らず知らず「管理歓迎」

 人々の暮らしが豊かになり、さらに個性が重要視され、ある意味他人に干渉されることもなく自由度が増えていく反面、今まで予想もしなかった新たな問題が発生すると、その様な問題の発生を防止するように新たな制度や仕組みが誕生し、それが人々の行動に何らかの制約を与えるという、マイナス方向への動きとなり挙句には「管理強化」になりかねない。なんとも皮肉な結果となるようだ。

記事(日本経済新聞(2006.2.4)1面)には

 テンプスタッフでは、自宅から客先に直行したり直帰したりすることは許されない。
そのわけは情報資産を守るためで、仕事で使う物(名刺や携帯も含め)は一切自宅に持ち帰れないことによる。また付箋や伝言メモまでシュレッダーにかけ、週に一度は抜き打ちでゴミ箱を調査人が監査する。息苦しくなるというより、例外がなくなり、自分で判断に悩むより楽で問題も起きにくいとある社員は感想を漏らす。



 都内のある小学生(7歳)は、親から外出するときは必ず防犯ブザーとGPSといった防犯機能付き携帯電話を携帯するよういわれている。両親は共働き。下校時、校門で一度、帰宅するともう一度、防犯端末のボタンを押す。すると警備会社を通じて両親に安否確認のメールが届く。万一緊急のときには警備員が駆けつける。交通費や通信費などで月額2万円の負担になるが、子供の安全を守るための「現代のお守り代」だ。

 大阪ではある宝飾店の盗難事件をきっかけに、商店街に監視カメラ8台が設置され24時間監視するようになった。近くに住む主婦は、安心感が高まったと喜ぶ。実際この監視カメラのおかげで主婦のバッグの引ったくり犯が逮捕された。買い物客のプライバシーが侵されるという反発もあった。しかし「隣の人は何する人ぞ」では地域を守れないという。犯罪が発生するたびに批判の声は小さくなる。

 上智大学の田島教授は、「必要な見守りもあるだろうが、監視とは紙一重。安全を掲げれば、何でも許されるのか」と警鐘を鳴らす。

 社会心理学者のエーリッヒ・フロムは、伝統的な共同体の絆を断ち、自由を得たがゆえに、不安や孤独にさいなまれ、結局は新たな安定を求めて「権威」を求める−−。と現代人の実相を示した。

 この4月末にも東京の地下鉄霞ヶ関で実験が始まる。改札口などの監視カメラの映像と、指名手配犯などの登録情報を顔認証システムで瞬時に照合する試みだ。

 安全と監視、国家と個人・・・。ネットはいつの間にか管理社会の扉を開く。


とある。(内容を要約・編集)

 昔の古き良き時代には、人々にはある種の誇りがありモラルがあった、人と人のつながりが強くある意味「他人の目」という暗黙的な監視があったように思う。しかし、いつのころからか一部で自由という名のもとに人と人のつながりが希薄になってきたようにも感じる。結局のところ管理や規制・法律といった何らかの縛りでルールを規定することになり、この方法が残念ながら手っ取り早い解決策ということになっているのだろう。確かに世の中の仕組みも複雑にはなってきているという面もないとはいえない。

自らの考えで自らの行動を律することの難しさかもしれない。
いろいろ考えずにはいられないテーマのような気がする。


本日のその他の記事
・4−12月、期利用者増加が追い風。ネット銀3行、利益拡大。(4面)
・[医療と企業:病院を変える]旧弊打破へIT服用。互いのニーズ引き出す。(12面)
・仏AFP通信社とソフトバンクグループは3日、日本向けの新ニュースサイトを立ち上げた。ブログによる一般利用者からの投稿を活用。(13面)
・松下など家電5社、デジタルテレビ向けの共同ポータルサイトの検討を始める。(13面)
・[ヒットの舞台裏]マクドナルドの「えびフィレオ」が好調。若い女性狙い「本物感」重視。ファッションリーダの蛯原さんが表紙を飾る雑誌の発売日、えびフィレオのサイトに10万を超える来訪者がある。(31面)
などがあった。


posted by ネット社会の水先案内人 at 22:33| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日経新聞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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